ふうえい裏話 vol.98
by 行政書士・谷田部 智敬
ひとくちにふうえい(風俗営業)といっても、そこには「光」も「闇」もある。
行政書士が見たそんな世界の裏話……。
警察の人事異動があった9月中旬、
六本木の繁華街で風俗営業を対象とした一斉立ち入りがありました。
その後の9月後半には、上野警察署管内でも一斉立ち入りがありました。
不忍池恩賜公園手前の仲町通りを入ると
すぐ右手にはシアター上野というストリップ劇場があります。
その通りを歩いていると客引きのお兄さんが近づいて来る、
上野ではキャバクラやピンクサロンの多く集まっている地域です。
六本木に続いて、上野でも一斉取り締まりがあったのですが、
六本木では「接待」をしているか「遊興」をしているかの
現状を見据えての指導が中心であったように思われます。
ここ上野では土地柄というか「接待」というよりは、
「卑猥」の方への取り締まりが行われたようです。
電話での問い合わせに時々
「ピンクサロンの許可を取りたいんですが……」
とか
「おっぱいパブって許可になるんですか?」
とか
「ランジェリーパブって何号営業なんですか?」
なんて質問があります。
ピンサロとかおっパブだとかランジェリーなんて許可はありません。
要は、酒類を提供し「接待」を行う場合には、
風俗営業の第1号営業(キャバレー・社交飲食店・料理店)の許可を取って
営業をしなければならないということで、
だからといって「猥褻」な接待が認められているわけではありません。
そのような土地柄、上野界隈ではそのへんの調査と取り締まりが行われます。
しかし、
「うちの店のそばで警察が来なかった店もあるんだよね~」
と電話で不満をぶつけてきた人がいました。
それもそのはず、仲町通りの途中から、住所が上野2丁目から湯島3丁目となります。
どうも湯島3丁目には一斉立ち入りがなかったようです。
そこがミソというか、運命の分かれ道というか、住所が上野の場合、
管轄が「上野警察」になり、湯島になると「本富士警察」の管轄ということになります。
ということで、今回の一斉取り締まりは、上野警察によるものであって、
本富士警察の管轄地域には取り締まりが及ばなかったということです。
この地域、ピンク系統のお店だけではなく、
外国人の経営するバーやクラブ、マッサージ店なども数多くあります。
いわばミニ歌舞伎町といった様相で、当然、入管と警察の重点調査対象地域でもあります。
イラスト:辰巳ゆめ