昭和59年4月10日 第84号
第4次麻雀ブーム来る⁉
麻雀の将来の『カギ』を握ぎるのは中学生である
昨今、様々な人々の口に挙がることに、麻雀ファンあるいは麻雀クラブの減少がある。だが実際、麻雀に携わる人口はこの域ではない。ただ、一つの社会現象として出てくるのが、他のレジャー。ゲームがハデバデしさを帯びて見えるから、麻雀人口が減ったような気がするだけであろう。
第一次麻雀ブームとは、麻雀が日本に渡来して、菊池寛が日本麻雀連盟を創立した頃である。第二次は戦後、天野大三がリーチとドラを発案し、一般大衆に急激な勢いで浸透した時期で、まさにパチンコにおけるチューリップのようなものであった。第三次ブームは十三年前、竹書房が近代麻雀を創刊したおり、ちょうど第一次ベビーブームによる団塊の時代にぶつかったことに始まる。
そして今ここに、第四次麻雀ブームは始まろうとしている。
日本人口の流れを見てゆくと、第二次ベビーブーム世代は現在小学4、5、6年にあたり、来年からその一陣が、中学に入ってゆく。普通なら一学年100万から120万の層が200万から250万へと一挙に膨れあがるわけだ。
過当競争の激化の中、この年甲齢層は、ともにゲームを覚えたり、スポーツをやったりと、様々な趣味の世界に足を向け始めるのも当然のことである。
第二の団塊が中学、高校へと進むにつれ、自然と麻雀というゲームの人口も増加し、社会現象の一つのブームとなってゆくのは必然の理と、私は考えている。
さて、ここで検討しなければならないのは何なのか?
麻雀経営者あるいは関係者は、麻雀プロがどうの、市民権を得るのはどうのと目先のことばかり言っているが、必要なのは5年・10年先の物の見方である。
中学生に、いかに麻雀を覚えてもらうか、これが第一の
課題であろう。
それには、まず麻雀をクリーンなイメージにしなけれはならぬ。二番目に精神的な面をいかに開発するかにかかっている。確かに競技である以上、定石等々、勝ち敗けの技術論は必要だが、今後を考えるとどうしても、その競技に対しての精神的技術論を明確にしてゆくことこそ、大きな目的という気がするのだが、どうだろう。
また現在、女性ファンを増やそうと考えている流れがある。確かに、それも大事である。しかし男だ女だとわける必要はない。固定観念で見れば、男性がやっていたものを女性に増やすんだと短絡的に筋道を通すが、これから若い世代が入ってゆく時には、区別をしない競技世界にしなければならない。これが第三の目標である。
ちなみに近代麻雀は、創刊13年目を迎え、これからもちろん全国麻雀ファンを対象に考えてゆくが、中学生でも解る、麻雀の楽しさ厳しさとは何かと、彼らをリードする本作りにしてゆく考えである。
(株)竹書房
月刊近代麻雀
社長 野口太爾郎