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麻雀を教えるって、どういうこと? 第17回
- 2017/12/13
- 麻雀を教えるって、どういうこと?
麻雀を教えるって、どういうこと?
「麻雀を楽しくスムーズに覚えて もらうためにはどうすれば?」
この連載は麻雀教室の開講をお考えの営業者に現役麻雀講師が持つスキルのすべてを大公開!
連載第17回目はいよ いよ『役満』の解説も最後となり、これで麻雀のすべての役の解説が完了!
役についての説明もいよいよ最後の回となりました。
残りの役は、前回と同じく【役満】ですよね。 今回も前回までと同様、ゆっくりと丁寧にお伝えしていこうと思います。
◎作ることが難しい 『四槓子』
今回最初にお伝えする役は『四槓子』(スーカンツ)です。文字通り、『槓子』を4つ作る形ですね。『槓子』は、『暗槓』でも『明槓』でもどちらでも構いません。
以前、『嶺上開花』 の時に『槓子』についての説明をしましたよね。
ここでもう一度、組み合わせ(メンツ)には、『刻子』、『順子』、『槓子』の3種類があるということ、
そして『槓子』には、『暗槓』と『明槓』があり、『明槓』には、『大明槓』と『加槓』(小明槓)があるということを、
ホワイトボードや黒板を使って説明するのが良いと思います。
ここで、『槓子』を作ることがいかに難しいかということを生徒さんに再認識してもらうのですよ。
1つ作るのも難しい『槓子』を、4つ作らなければならない難しさをわかってもらうために、『槓子』の説明を改めて行うことで、
『四槓子』の難易度を生徒さんに理解してもらうのです。
『四槓子』の難易度を上げている要因は他にもあります。『槓子』を4組作った上で雀頭 を作らなければならないわけですから、
『四槓子』を聴牌した時には、対戦相手には『四槓子』の聴牌になっていることがわかってしまうのです。
雀頭を作らなければ完成しない『四槓子』ですから、せっかく聴牌を果たしたといっても、
最後の雀頭はほぼ自力で完成させなければならず、聴牌後もかなりアガるのは難しいと思います。
この点も『四槓子』 の難易度を高めている要因であると言えるでしょう。
更には、一部のルールで採用されている『四開槓』というルールがあります。
これは、1人で4回【槓】するのは良いが、 2人以上なら4回目の【槓】が成立し、打牌 が完了した時点で流局となってしまうルールですね。
この『四開槓』を採用していない場合は、複数人では4回目の【槓】をすることが出来ないというルールがあります。
つまり、対戦相手が『四槓子』を狙っているとわかった時点で、対戦相手は自身が【槓】をすることによって『四槓子』が成立することを未然に防ぐことが出来るということです。
このようなケースに遭遇したことは私にはありませんが、
もし自分が『四槓子』を狙う対戦相手の立場だとしたら、きっと先に【槓】 をするチャンスを窺うのではないかと思いますが…。
どちらにしてもレアな役満である『四槓子』に出会う機会はそうそうあるわけではないですので、参考までに頭の片隅に置いておく程度で良いのかと思います。
◎難易度の割に 翻数が低い『三槓子』
ここで同時に伝えなければならない役は、『三槓子』(サンカンツ) です。
『四槓子』よりも難易度が低い、『槓子』が3組ある形ですね。
この『三槓子』はもちろん一般役ですが、数多くある『役』の中でもかなり出現頻度の低い役になりますので、
この役満の回で『四槓子』と並行してお伝えする程度で良いでしょう。
この『三槓子』、難易度の割には翻数がかなり低く設定されており、2翻役です。
これは『四暗刻』と『三暗刻』の関係とまったく同じで、
『四槓子』は役満、『三槓子』は2翻と、難易度に比べてまったく釣り合わない点数ですから、この『三槓子』も参考程度に覚えて頂くと良いと思います。
◎まさに運次第 『天和』 『地和』 『人和』
役満の最後は、運も 必要とする3つの役満をお伝えしたいと思います。
それは、『天和』、『地和』、『人和』の3つの役満です
(『人和』は役満として採用していないケースが多いのですが…それについては後程)。
『天・地・人』と覚えてしまえば非常に覚えやすいこの3つの役満。
それでは1つずつ追っていきたいと思います。
まずは『天和』(テンホー)です。この『天和』は親の役満ですね。
親の配牌時にアガっていれば成立する役満で、形は問いません。
約33万分の1という、役の出現率の中では一番確率の低い役満です。
配牌を取ったらアガっているという夢のような役満ですが、あまりにも確率が低いだけになかなかお目にかかることはありません。
もしアガることが出来たら、それはかなりの好運だということをどうやって伝えるのかが麻雀講師の腕の見せ所ですね。
次は『地和』(チーホー)です。こちらは親の役満の『天和』に対して、子の役満です。
ポン・チー・カンのない、純粋な第一ツモでツモアガリすれば役満となりますが、
こちらもかなりの難易度になりますから、やはり運の要素がかなり高い役満であるといえるでしょう。
そして最後は『人和』(レンホー)です。これも子の役満で、
子の純粋な第一ツモの前に、他家の打牌でロンアガリすることなのですが、
この『人和』は、役満として扱っていない場合が多いばかりか、『役』として採用していない場合もありますから注意が必要です。
上記の『天和』、『地和』と比べて難易度がかなり下がる分、役満には該当しないのでは? との声が多く、
満貫役や倍満役として採用していたり、そもそも『役』として採用していない場合も多いので、
麻雀を開始する前に、『人和』をどのように採用しているのかを確認してからゲーム開始すると良いでしょう。
しかし、この『天和』、『地和』、『人和』は前述したように、『天地人』と覚えてしまえば非常に覚えやすく、
孟子の『天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず』といった言葉があるように、
戦略が成功する三条件を示している表現としても使われる言葉でもありますから、
麻雀というゲームを表している言葉であり役満であると説明してあげると、生徒さんの理解度は高まると感じています。
役満が非常に難しいということを表しているようなこの3つの役満。
役満の最後を飾るのに相応しい役であると 私は考えておりますが皆さんはいかがでしょうか?
◎手牌から 『役』を考え 『役』を作るプロセスを大切にする指導方法
これで『役』の説明 が終わりとなります。
『役』を伝えるに当たって大切なことは、『役』を作ることと同時に組み合わせを作ることの重要性を再確認してもらうことと、
『役』の出現頻度と重要性を認識した上で、必要な役から順に覚えてもらうことですね。
最初のうちは、麻雀 は『役』がないとアガれないということをはき違えて覚えている方が多いと思います。
「リーチしないとア ガれないんでしょ?」とか、「役牌をポンすればいいんでしょ?」とか。
組み合わせを上手に作った上で、手牌から作ることの出来る可能性のある『役』を考え、
その『役』を作るためのプロセスを大切にする指導方法が問われるのが麻雀講師であると考えます。
麻雀の楽しみ方は人それぞれです。
しかし、その楽しみ方の幅を広げてあげるのは、やはり麻雀講師なのです。
麻雀の奥深さを伝えてあげることも、麻雀講師にとって大切なスキルですし、
勝ち負けだけでなく麻雀の手作りの楽しさを伝えるのもまた、麻雀講師にとって重要なことだと考えます。
『役』を詳しく理解していなくても、組み合わせの作り方や麻雀のゲームの流れさえ理解すれば、
麻雀というゲームを楽しむことは十分に可能です。
しかし、更に麻雀を愛してもらうためには、焦らずゆっくりと丁寧に『役』についての理解を深めてもらうのが大切なことですよ。
テキストに沿ってサラッと伝えることも出来る『役』ですが、
1つずつ掘り下げていく という方法もあるということをご理解して頂ければと思います。
さて次回からは、いよいよ『点数計算』についてお伝えしたいと思います。
『点数計算』というと難しく考える方が多い中、意外と簡単に覚えることが出来るモノだということや、
『点数計算』を理解することによって、麻雀の楽しみを何倍も深めるということを伝えられるように進めていきたいと思います。
それではまた次回お会いいたしましょう。