依頼者の為にきちんとした許可を素早く取るのが行政書士の仕事

新人行政書士の海野くんは司法浪人からの行政書士転向組です。

不景気や就職難、リストラ、司法試験制度の失敗からか、最近の行政書士試験を突破し入会してくる新人には、国立大学を含む有名大学の法学部出身者が多くを占めるようになりました。

弁護士を目指した彼、彼女らは法律の知識が豊富で権利意識も強く、行政書士のレベルを上げています。海野くんもその一人で、依頼者からの許可申請には全力を尽くしています。弁護士であれば殺人犯であろうと密入国者であろうと、人権という立場から依頼を受けた犯罪者の弁護には全力を尽くします。専門的に法を勉強してきた海野くんも、法律、条例、規則、解釈運用基準を精査し、法と現実の矛盾点を突いてきます。それがオーバーステイの外国人であろうと、怪しい性風俗営業者であろうと、全面的に依頼者の立場に立ち、入国管理局や警察署に申請を突っ込みに行きます。

海野くんとは、彼が行政書士会開催の私の風俗営業の講義を聴き、マージャン店の許可申請手続きを聞きに来たのが最初の出会いでした。それ以降、営業力のある彼は、どこからとも無く、性風俗、ホストクラブ、ラブホテル等の業者を見つけてきては、許可申請について質問をしてきます。
「先生、ホストクラブで風俗営業と深夜飲食店の両方が取れないでしょうか?」「逮捕されそうな社長を代表から外し、その会社を分割し、許可を移行できないでしょうか?」等々、依頼者の為に智恵を絞ってきます。

「おいおいおい、それって基本的に間違いだよ!」風俗営業の許可というものは、行政法上は「禁止されているものの解除」であって、新しい営業方法の為の抜け道を考えだすこと、依頼者の無理を通すことは風営適正化法の趣旨から誤った道に行ってしまいます。報酬を得んが為に本質から外れてはいけません。依頼者の為にきちんとした許可を素早く取るのが行政書士の仕事であって、こじつけやごり押しは社会にとって良いことではありません。海野くんには「しっかりした立ち位置」に気がついて貰いたいものです。

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