〇〇と麻雀 第1回

〇〇と麻雀

みなさんこんにちは!今月からこちらの連載を担当させて頂くごっさんと申します。

本連載では「麻雀と◯◯」というテーマでなるべく面白く、わかりやすく連載を進めていきます。いつものセットの待ち合わせ時間にあと一人が来ない時、ワンカケで卓が立たなくて手持ち無沙汰なとき、「あ、そういうえばこんな話があったな」と誰かに話したくなるような、そんな内容になれれば幸いです。

ちなみに、筆者の私は経済学を専攻する大学生で、かつて何店かの雀荘でメンバーとして働いた経験があります。大学ではわりかし真面目に勉学に打ち込む傍ら、メンバーとして働いてきたなかで「あれ、これってこの前勉強したことを応用できそうだな」と思った内容を元ネタに、本稿で膨らませていきたいと考えています。

それでは早速、「ゲーム」と「麻雀」をテーマとしてあげましょう。

「ゲーム」と聞くと、ファミコンから3DSまで、老若男女を虜にするあのテレビゲームが思い浮かぶと思います。私も小学生の頃、ポケモンやドラクエに時を忘れて熱中したものです。他にも、少年時代を思い返してみると、友達と熱中したゲームがたくさんあります。少し話は逸れますが、この前地元に帰省した際、小学生になった従兄弟たちと会ったのですが、まぁ3DSを片時も離さないんですね。昔はどこに行っても私を追いかけてきたちびっこたちは、ずっとソファに座ってひたすらに3DSでゲームをしていました。哀しいこと限りなかったのですが、これもきっと彼ら彼女たちの成長の糧になるのだなと思い、そっとしておきました。はてさて、話を戻します。「ゲーム」というと、今までお話したようなゲームがイメージされると思いますが、経済学ではゲームという言葉が違う意味を持ちます。それは、「ゲーム理論」のゲームです。

ゲーム理論とは、複数の意思決定主体(つまり普通の人間ですね)がいる場合に、どのような戦略が取られるのかを研究する分野です。

ここで言うゲームとは、主に「試行」を意味します。つまり、何人かの人間がいる集団で何かを決めるとき、どのような戦略が取られて、どのような行動が見られるのか、ということを研究します。
ゲーム理論のわかりやすい有名な話を挙げると、「共有地の悲劇」という問題があります。共有地の悲劇とは、複数の人が利用できる共有資源が無秩序に使用されることで、資源の枯渇を招いてしまうという問題です。例えば、とある広い牧草地に複数の酪農家が住んでいるとしましょう。それぞれの酪農家は、自身の牛たちにたくさんのエサを食べさせたいと考えます。すると、酪農家たちはどのような行動を取るでしょうか。みなさんもお察しの通り、他の酪農家の牛たちに草を食べきられる前にいち早く自分の牛たちへ草を食べさせようとします。すると、広い牧草地はたちまち枯れ果ててしまい、結局全ての酪農家たちにとって悲劇的な結末となってしまうのです。

これは、ゲーム理論の枠組みで考えると、個人にとっては自己利益を最大化するベストな選択をとったはずなのに、結果としては全体の悲劇を招いてしまうという、「社会的ジレンマ」の問題として知られています。

このようにゲーム理論では、個人の意思決定と集団の意思決定のメリット・デメリットが異なる場合に、どのような施策を用いれば問題を解決できるのか考えていきます。現実では、そのような事態を防ぐために条約や法律によって資源の利用に制約をかけています。最近だと、クロマグロやウナギの漁獲制限にはこのような問題構造が隠れています。
さて、ここまでつらつらとゲーム理論について書いていきましたが、いかがでしょうか。私はこのゲーム理論がいろいろと麻雀につながっていると考えています。麻雀は四人で行うゲームです。その中で、自分だけの楽しさや快楽を追求していると、集団にとって悪い影響を与えることがあります。例えば、自分の手だけに熱中して、和了が遠い手から鳴いて仕掛けて手詰まり、親のリーチに一発で振り込んだり、自分の手が進まないがために舌打ちしたり強打したりなどすると、当の本人は楽しいかもしれませんが、他家の三人としては「勘弁してくれよ」と思ってしまうことでしょう。しかし哀しきかな、ひとたびそのような人が現れると他家も同じように柄の悪い麻雀を打つことが損をしないための最適戦略になってしまうのです。よく雀荘で麻雀を打っていると、パァァァンという炸裂音と共に「んぁ〜こんなのが居たよ〜ツモォ6000通し!」とぼやきながら強打・引きヅモをしまくっている年配の方々の卓がありますよね。私はこのような光景を見るたびに「なんて素晴らしい反面教師なんだ!」と感動していますが、その背景にはこのような「社会的ジレンマ」の問題構造が隠れていたのです。

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