東京・昭島「友楽」

新装開店から5年とは思えないほど清潔な店内。ゲーム料金500円

昭島駅南口から1分弱。ビルの裏手に突き出したような形になっている。駐車場は6台完備
客層をしぼった経営展開
東京の郊外・昭島で開業して25年、市内で最も古くから営業しているのが「友楽」である。
マージャン好きで帰りの遅いご主人・今川栄次さんに、「そんなにやりたいなら家でやれば」と、妻の君子さんが開業を持ちかけた。結局、自分の家ではやりにくく固定客にはならなかったが、それから20年、君子さんがオーナーとして店を切り盛りしてきた。そして5年前、会社定年を機に今川さんが後を引き継いだ。

現在の店舗は、オーナー交代と同時期に建て直しをした所有ビルの一角にある。一角といっても、広い通りに面したビルの裏にくっつく形だ。表の看板も控え目で、常連でなければ見落としてしまいそうである。ビルは1Fが賃貸店舗、2Fが自宅、3Fから7Fが賃貸マンションで、店と自宅とが通路でつながった設計になっている。
店の広さは約15坪。こじんまりとしていながら、明るく清潔感がただよう。「マージャン店の汚いイメージを取り除きたい。目が痛いと言われることもありますが、照明はかなり明るくしています」

時にソフトに時に強く

卓数は5卓。建て直しの前は、もっと広いスペースに9卓で営業していたが、稼働率を考えて減らした。現在の平均稼働率は3卓、月曜と金曜は4卓以上になる。
店は今川さんひとりで営業しており、休憩の1時間のみ君子さんと交替する。客は近隣のサラリーマンがほとんどなので、土日・祝日は休業。営業時間もサラリーマン向けに5時から12時までとしている。セット専門なのも、ターゲットをしぼっった店の手法である。
「経営者は自分のポリシーを持ち、貫くことが大切だ」と今川さんはいう。アルコール類は3杯まで、ダラダラと営業しないなどその姿勢が表れている。客も長年の付き合いから、店の方針をすんなり受け入れているという。
また一方で、きめ細かい心配りを欠かさないのも今川さんの心構えだ。アルコール類につけるつまみは、客の好みを把握して出し分ける。ビール用のグラスはあらかじめ冷やしておく。些細なことではあるがギブ・アンド・テイク、客に要求するだけでなく、ち密なサービスをしている。
体育会系の骨太さと、営業上がりのソフトさを兼ね備えた今川さんの個性が垣間見える一面だ。

道楽で経営はできない

不況のあおりを受けて昭島市内のマージャン店は半減し、現在では十数軒が残るのみとなった。「家賃を支払いながら利益を出すのは難しい」と今川さんがいうように、賃貸の店舗が廃業していった。しかし今後は、自己所有の店舗さえも油断ならない。今川さんはよく「定年後の道楽でやっているのでは」といわれるが、きっぱりと否定する。
「経営者とは常に経営向上に向けて努力するもの」。頭と体を働かせなくては、厳しい時代を乗り切ることはできないのだ。開業から四半世紀、営業年数とともに客も年を重ね、平社員から管理職へ、そして定年を迎えつつある。しかし今は、上司と来店した若者たちが常連となっている。
「体の動くうちは続けたい」。
定年後に選んだ道を進む今川さんの姿には、力強いパワーが感じられる。

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