【追憶の麻雀】第8回『一考を要する形式テンパイ』

麻雀新聞第17号 昭和53年9月10日

 

一考を要する形式テンパイ

第4回高段者麻雀研究会は、8月18日午前11時に、前橋の前館荘に於いて開かれ、正午までルール研究、つづいて五時まで競技が行なわれた。

ルールのテーマとしては、次のようなものがあがり、検討されたが結論は出なかった。

 

①親順を間違えてゲームが進行し、途中で気付いた場合。

 

②ドラ牌の開け違いを気付かずゲームが進行した場合。

 

③ゲーム中、過失で壁牌を崩し進行に障害が生じた場合。

 

以上の件に続いて、現在の東京ルールで採用している形式テンパイを認めるのかという件は、海底撈月の一翻がルールにある以上形式テンパイを認めるのもやむをえないという意見と、河底撈月や嶺上開花には、1順中にただ1回のチャンスしかないのに形式テンパイを認めるのは不都合であり、いつでも和れる1翻がついているテンパイでなければならない、という意見に分れ、これについては後日段審に具申することで、研究会を終えた。

 

ひき続き行なわれた競技会には参加人数が10名で、2卓を使用しトップまたは自由抜けの形で、5回戦を行なった。

 

(群馬段審委員長 川辺保記)

 

なお、成績は、内山三段が8月の暑さにもかかわらず、着実に得点を伸ばし、トップに躍り出た。大森六段、高木五段は、いくらか不調か。飯塚四段は、7、8月が好調で、一躍上位進出。川辺委員長、吉田六段は、手堅く得点を伸ばしている。当研究会では、8月までの累計による、平均点等のデータを集計中である。いずれ紙面に発夷する予定です。(H・N)

 

麻雀にも定石ありや

 

東京段審研究会8月例会は、群馬に刺激されてか、対局に力が入って、熱戦の連続。競技麻雀の基本を踏まえた上で、いかに自分のスタイルを作るかというテーマが会の本質である。勿論順位のあることであるから、ひとつでも上へという気持もあるが、それが強くなると、日頃の麻雀に堕ちてしまう危険もあるので、そのかね合いが、むずかしい問題である。戦術論が横行している麻雀マスコミであるが、それ以前に、麻雀とはなにかということが、先決の問題のように思われる。

 

➖結局、相対のゲームではないところが、定石がないと言われるところですね。

➖四人で打つということが、自分の頭のなかに、はっきりと認識できるかどうかですね。

➖麻雀の持つ特性。社交性とかそういったことでなく、本質的な特性を考える時ではないですか。ストレス解消とかでなく、段審で麻雀とは何かということも、テーマとして考えるべきじゃないですか。

➖よく麻雀に同じ手はないと言われますが、例えばタンピン三色なら、二三四も六七八も同じですから、逆に同じ役として考えればいくつかに分けられ、定石を見つけることが出来ると思うのですが。

➖ただ局面という間題が、そこにむづかしさを加えますね。

➖局面を考えて、どうにもならない時の打ち方もあるし、碁、将棋の敗着に似たものは、ありますからね。

➖麻雀をどう捉えるかで、打ち方も変化してきますね。この研究会に於ては、基本をマスターした上で、自己のスタイルを作る。なお加えて成績上位に位置するという。大変ですね。

➖順位にこだわると、意味のないものになりますしね。

 

対局は、脇三段がトップに躍進前期不調の島田四段、実力者染谷六段、前期優勝の佐藤五段、リーダーの大竹六段、女牲では大下五段、斉藤三段が上位グループを形成。まだまだこれから、予断を許さない後期である。

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