【追憶の麻雀】第78回「 女子大生の雀荘リポート」

追憶の麻雀

麻雀新聞第215号 1993年(平成5年)6月10日

女子大生の雀荘リポート

 

日本で3つ主なギャンブルを挙げれば、麻雀・パチンコ・競馬となるだろう。パチンコや競馬は最近、女性ファンが定着したけど、麻雀をやる女性というのはまだまだ少数派。麻雀は、かつてに比べて人気が落ちたとはいえ、学生の手軽な娯楽の代表選手なのに、まだ女性が進出していないようだ。女子大生に麻雀がはやる可能性やいかに。

20人の女子大生にアンケートしたところ、麻雀をやったことのある人は8人。意外と多め?さらに、やったことのない12人のうち9人までが、やってみたいという。関心は高いのだから、誰かが仕掛けると、一気にはやるかも。

ただし、”かける”という行為には抵抗があるらしく、「ゲームとして、やってみたい」よう。かけたことがある女性はわずか1人だった。男の子に言わせれば「かけない麻雀なんて麻雀じゃない」。ここで、男性と女性の意見は大きくすれ違う。

次に男性諸君に「女の子が麻雀やりだしたらどうする?」と質問してみた。友達の女の子なら20人中19人まで「歓迎」。ところが「彼女」となると半数近くが、首をかしげてしまう。

なぜ?と聞くと、「ハマられたら困る」「雀荘のあの雰囲気に染まってほしくない」そう。「彼女からは、かけ金取れないから、勝負にならない」との声もあった。皆、なかなかフェミニストなんだ。ただ残りの半数は「歓迎」。「趣味を共有できてうれしい」人もいた。

では、実際、雀荘にはどの程度、女性がいるんだろう。東京都内の高田馬場、田町の雀荘にのべ10軒ほど足を運んだが、女性は1人しか発見できなかった。アンケートでも、女性で麻雀経験があっても、場所は友だちの家や自宅が大半。やっぱり女の子には、雀荘は敷居が高いみたい。

取材のため私も初めて雀荘に足を踏み入れたが、煙草の煙の向こうから、不審げな視線が私に集中してるのを感じた。でも、想像していた以上に清潔で、デザートにパフェか何か甘味のメニューでも作れば女の子も楽しめそうな雰囲気。麻雀界でも女性雀士を育てようと女性だけの麻雀大会を開き、事実、女性客は増えてきているという。

1人1時間数百円という場所代もバブル崩壊の今日、魅力的。4人という人数もダブルデートに最適。あなたの彼の意外な勇姿が見られるかも。

こうやって検討してくると、パチンコ、競馬に麻雀が続く可能性は大。店じまいが続いた雀荘の希望の星は女子大生かもしれない。

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